研究活動

【シンポジウム】「郷土の声、異郷の言葉 クルドと日本を聴く・語る」【終了】

★2022年6月4日に開催したシンポジウムの記事が以下の新聞社のウェブサイトに掲載されました。
朝日新聞社 クルド人は訴えた 「変えられるのはあなたです」 広島のシンポで:朝日新聞デジタル (asahi.com)  
共同通信社 クルド人虐殺と原爆の惨状重なる 広島訪問、シンポで訴え
毎日新聞社(会員限定)「虐殺と原爆、惨状重なる」 広島でシンポ クルド人の文化語る 

日時:6月4日(土)15:30開場、16:00開演
会場:広島留学生会館ホール (広島市南区西荒神町1-1)アクセス:広島駅南口、徒歩6分  ※地図はこちら
参加費:無料

アラビア語の「ワタン(Watan)」とは、人が生を織りなす場、英語の homeland(祖国/故郷)を意味します。人は「ワタン」とさまざまなかたちで、痛みに満ちた関係を生きています。トルコに暮らすクルド人は同化政策のもと、クルド人アイデンティティを否定され、長らく母語のクルド語もクルド音楽も禁じられてきました。

この春、クルド人ジャーナリストのイルファン・アクタン氏、クルド民族音楽の専門家セルダル・ジャーナン氏が京都大学を拠点とするプロジェクトの活動によってトルコから招かれ、埼玉県の蕨/川口市を中心とする日本のクルド・コミュニティでフィールドワークを行っています。故郷を離れざるをえなかったクルドの人々に対する日本の入管政策のありよう、社会の対応は、彼らにはどのように映ったことでしょう。

来日のこの機会に広島訪問を果たしたいというお二人の希望に沿いながら、私たちもクルドの人々の声を聴いてみたいと思います。情感豊かな映像に加え、会場での歌と演奏を織り交ぜながら、人間とHomeland(祖国/故郷)/ネイションの関係について語り合います。

プログラム
15:30 開場
16:15 開演   映画上映『地図になき、故郷からの声』
   (中島夏樹監督, 2021年, 東京ドキュメンタリー映画祭短編グランプリ・同映画祭大阪観客賞受賞作品)
17:30 演奏と歌・パネルディスカッション         
    司会:田浪亜央江(広島市立大学 国際学部)
    発言者:イルファン・アクタン(ジャーナリスト)
        セルダル・ジャーナン(クルド民謡・民族音楽研究者)
        東琢磨(音楽・文化批評家)
        岡真理(京都大学大学院 人間・環境学研究科)    
    通訳:村上薫(日本貿易振興会 アジア経済研究所)
19:00 終了(予定)

発言者プロフィール

Irfan Aktan(イルファン・アクタン) 
トルコのジャーナリスト。2003年、アンカラ大学コミュニケーション学部ジャーナリズム学科卒。卒業制作はイラク・イラン難民のドキュメンタリー『オメルよ、家に帰れ』、『裏庭の人々』。在学中にジャーナリストとして活動を開始、ニューズウィーク誌トルコ版をはじめ、トルコのさまざまな媒体に執筆。IMCテレビのアンカラ支局長(2010年)を経て、現在、Express誌、birartibir.org、 www.artigercek.comなどに執筆。

著書に、現在のイラク出身のユダヤ人でクルド人の祖父と結婚,ムスリムに改宗しトルコに移住した祖母の一生を記録した『Naze ある移住の物語』(2011年)、クルド問題に関する識者へのインタビュー集『毒と解毒剤:クルド問題』(2006年)がある。主な関心はクルド問題、難民、不利な立場にある集団、人種差別政策、報道の自由と表現の自由。

Serdar Canan(セルダル・ジャーナン) 
トルコのクルド民謡・民族音楽研究者。ハッカリ出身。トルコ各地をまわり、 クルド民謡、音楽を収集。2015年、 アムステルダムで初演されたクルド語オペラ「トスカ」出演。2019年、ミマール・スィナン芸術大学(イスタンブル)で、「ハッカリ及び周辺地域の伝統民族舞踊とその音楽的特徴」の研究で修士号取得、 修士論文は書籍として刊行準備中。短編映画Barê Giran(2019 トルコ語・クルド語)のポストプロダクション責任者。伝統楽器バーラマの奏法指導の傍ら、クルド音楽の歴史と理論、 奏法について、 クルド語による論考を発表、 講師として出演するクルド音楽解説番組Selîqeがyoutubeで配信中。

東琢磨(ひがし・たくま) 
音楽・文化批評。広島生まれ・在住。広島平和映画祭実行委員、連続ティーチ・イン沖縄実行委員、ドキュメンタリー映画祭審査員などを務めてきた。著書は『ヒロシマ独立論』など多数、共編著『忘却の記憶 広島』。

岡真理(おか・まり) 
京都大学大学院人間・環境学研究科教授、 専門は現代アラブ文学、 パレスチナ問題。「思想としてのパレスチナ」をテーマに《パレスチナ問題》を現代世界に生きる人間の普遍的な思想課題として考究している。著書に『ガザに地下鉄が走る日』、『アラブ 祈りとしての文学』ほか。

共催  
科研基盤研究(A)「トランスナショナル時代の人間と「祖国」の関係性をめぐる人文学的、領域横断的研究」(代表:岡真理)
科研基盤研究(A)「イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究」(代表:長澤榮治)
日本とクルドを考える会
広島・中東ネット

問い合わせ   
本企画について:tanami1012@yahoo.co.jp(田浪)

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映画タイトルの誤表記に関するお詫びと訂正(2022年6月7日追記)
当初、シンポジウムのチラシおよび当ページに映画タイトルを誤って記載していました。また、当ページに、監督名が表記されておりませんでしたので、以下のとおり訂正いたしました。
誤)『地図になき,故郷からの歌』
正)『地図になき,故郷からの声』(中島夏樹監督, 2021年, 東京ドキュメンタリー映画祭短編グランプリ・同映画祭大阪観客賞受賞作品)
作品名を誤って記載し、中島夏樹監督に大変ご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
岡真理