研究活動
過去1年半にわたってイスラエルによる封鎖下のガザ地区住民に対する大量殺戮が続く一方で、昨年12月には同じく自国民への大量殺戮を続けてきたシリアのアサド政権が崩壊しました。こうした流れの中で、現在シリアとパレスチナの問題をいかに同時に考えるかが問われています。このワークショップではダマスカス郊外のパレスチナ人居住区「ヤルムーク・キャンプ」へのアサド政権による封鎖と殺戮を内側からとらえた記録映画『リトル・パレスティナ』とハティーブ監督の最新インタビュー動画を上映した後、シリア人ジャーナリストのナジーブ・エルカシュさんの解説を経て、〈両課題の同時性〉についてディスカッションします。映画上映は亜細亜大学の会場のみで行いますが、その後のインタビュー動画上映と解説、ディスカッションはハイブリッドで実施します。
日時: 2月8日(土)15:30-18:20
場所: 亜細亜大学 521教室(5号館2F)+映画上映以外(17時以降)はハイブリッド
*亜細亜大学(JR中央線武蔵境駅徒歩12分) 地図
オンライン参加お申し込みフォーム:
https://forms.gle/d9cf35AN7gjkpWjC6
内容:
15:15 開場
15:30 開会の挨拶:山本薫(慶應大学)
『リトル・パレスティナ』上映開始
17:10 アブドゥッラー・ハティーブ監督インタビュー上映
17:30 ナジーブ・エルカシュさん解説
17:50 質疑応答&ディスカッション
18:20 閉会の挨拶:岡崎弘樹(亜細亜大学)
18:30 退出
参加費: 無料
お問い合わせ: okazaki_hiroki@asia-u.ac.jp
映画『リトル・パレスティナ』紹介:
上映作品:『リトル・パレスティナ』(Little Palestine, Diary of a Siege)、レバノン・フランス・カタール、89分、2021年。ダマスカス南部に位置するパレスチナ人居住区ヤルムーク・キャンプは1957年以来、世界最大のパレスチナ難民居住区として、後には首都郊外のベットタウンとして発展を遂げた。しかし、2012年から2015年にかけてシリア政府軍に包囲された。本映画は、ハティーブ監督が、極度の飢餓と失望の下に置かれた同地区住民の模様をカメラで追い続けた作品。
登壇者プロフィール:
アブドゥッラー・ハティーブ監督
1989年、ダマスカス郊外ヤルムーク・キャンプに生まれる。ダマスカス大学で社会学専攻後、2011年以後にシリア各地に広がった民衆抗議活動や人道支援活動に加わる。包囲下の同キャンプ住民の生活を捉えた記録映画『リトル・パレスティナ』は、2021年山形国際ドキュメンタリー映画祭「アジア千波万波」部門で大賞(小川紳介賞)を受賞した他、その他の国際的な映画祭でも高い評価を得ている。
ナジーブ・エルカシュさん
1973年シリア生まれ。ベイルートアメリカン大学卒業、ロンドンフィルムアカデミーで映画制作を学び1997年に来日。東京大学大学院、名古屋大学大学院にて映画理論を研究。制作会社リサーラ・メディアの代表として1998年から日本や北東アジアを取材し、ドバイ・テレビなど多数のメディアで取材を配信。そのほか、日本のメディアやアラブ映画など文化事業にも多く関わっている。
主催:
科研費若手研究「近現代アラブ思想・文学における「共存」構想とその実践」(代表者:岡崎弘樹)/科研基盤研究(A)「トランスナショナル時代の人間と「祖国」の関係性をめぐる人文学的、領域横断的研究」(代表者:岡真理)