研究活動

【ロマ/「ジプシー」映画WS】第2回 HomeとHomelandのはざまで響く音楽ーー『ジプシー・キャラバン』におけるアーティストたちの描写より【終了】

日時:2021年12月26日(日)14:00-16:00(映画上映)、16:10-17:30(講演)
講師:岩谷彩子(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授)
会場:対面とオンラインの両方で開催します
・京都大学吉田南キャンパス 総合人間学部棟1階1104教室
・オンライン(Zoom) 
参加ご希望の方は、以下のフォームからお申込みください。   

https://forms.gle/6F5WPMJNeTh368sB7

発表要旨:本作は、インド、ルーマニア、マケドニア、スペインからアメリカに集められた「ジプシー」アーティストたちのツアーに同行し、また彼らのHomeにも足をのばします。その描写は、『ラッチョ・ドローム』同様、インドから始まります。しかし、そこで描かれるのは、イマジナルな「ジプシー共同体」の姿ではなく、いまや音楽市場の一ジャンルとなった「ジプシー音楽」の担い手たちの願望や葛藤です。「ジプシー」にHomelandはないが、アーティストである彼らには帰るHomeがある――この2つの軋みから生みだされてきた「ジプシー音楽」の実像について、『ジプシー・キャラバン』の映像から迫ってみたいと思います。(岩谷彩子) 

講師プロフィール
岩谷彩子(Iwatani Ayako)専門は文化人類学。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。インドの商業移動民および世界でロマ/「ジプシー」と呼ばれてきた人々の文化人類学的研究にたずさわる。夢や建築物、音楽や踊りなど、彼らのコミュニティの境界を形成するさまざまな装置を「記憶の媒体」としてとらえ、その特徴について考察している。著書に『夢とミメーシスの人類学―インドを生きぬく商業移動民ヴァギリ』(明石書店)、『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』(せりか書房)、分担執筆に「『移動民族』としてのロマと新人種主義―ヨーロッパ域内の人の移動をめぐるポリティクス」(斉藤綾子・竹沢泰子編『人種神話を解体する 第1巻Invisibility―「見えない人種」の表象』、東京大学出版会)、西井涼子・箭内匡編『アフェクトゥス(情動)―生の外側に触れる』(京都大学学術出版会)など。

共催
科研基盤研究(A)「トランスナショナル時代の人間と「祖国」の関係性をめぐる人文学的、領域横断的研究」(代表:岡真理)
科研基盤研究(B)「ディアスポラの記憶と想起の媒体に関する文化人類学的研究」(代表:岩谷彩子)